『後肢異常と犬の車いすのお話』
【第2部】車いすは、歩くためだけのものじゃない
前回ご紹介した15歳のそらくん。
後肢に歩様異常がありながらも、まだ自分の力で動かせる部分が残っていました。
そんなそらくんに、WanLifeがご紹介したのが、
犬の車椅子専門店
「天使の車輪(テンシノワ)」さん。
@tenshinowa1224
愛知県にあるオーダーメイドの車いす屋さんです。
実は、過去にWanLifeのお客様のワンちゃんたちが何頭も使用されていて、私自身も実物を触り、使っている姿を見てきました。
そこで感じたこと。
「軽いって神!!」
これ、本当に大切なんです。
後肢麻痺の子も、シニアの子も、車いすを動かすためには、残された筋力や体力を使います。
車いすが重ければ、その分、前肢への負担が大きくなることもあります。
もちろん、若くてパワフルな子が屋外を元気に走るなら、頑丈さや安定性も大切。
でも、筋力が落ちたシニアの小型犬に、同じ仕様がベストとは限りません。
WanLifeが大切にしたいのは、
「その子が無理なく使えること」
そして、もう一つ。
「身体の変化に対応できること」
後肢の異常を抱える子たちを長く見ていると、
少しずつ姿勢や身体の使い方が変わっていくことがあります。
腰が曲がる。
背中が丸くなる。
前肢の歩幅が狭くなる。
頭が下がってくる。
もちろん、すべての子が同じ経過をたどるわけではありません。
でも、今の身体にぴったりでも、半年後、一年後には合わなくなることだってある。
だからこそ、後から調整やカスタマイズができることは、大きな魅力だと思うのです。
テンシノワさんは、実際にWanLifeのお客様の悩みに合わせて、オーナーさんが試作品を考えてくださったこともありました。
そんな柔軟な姿勢にも、私は魅力を感じています。
そして、もう一つお伝えしたいこと。
【車いすは、必ずしも「歩くためだけ」の道具ではないということ。】
自分で歩きたい子もいれば、車いすで支えられて立っているだけで、ご機嫌な子もいます。
犬は本来、四肢で身体を支える動物。
寝ている姿勢だけでなく、身体に無理のない範囲で立位を取ることは、姿勢の変化や周囲を見渡す楽しみにもつながります。
ただし、立てば必ず血流が改善するという単純なものではありません。
呼吸や循環、関節の状態、疲労などを考え、その子が苦痛なく過ごせることが大前提です。
また、後肢をズリズリ引きずって移動することで、皮膚が擦れ、傷や潰瘍につながることもあります。
そんな負担を減らす選択肢としても、車いすを知っておいてほしいのです。
そして、飼い主さまの生活も大切。
歩きたい、立ちたいと鳴いて呼ぶワンちゃん。
その気持ちに応えたいけれど、飼い主さまにも家事や食事、お風呂など、日常生活があります。
そんな時、安全を確認しながら短時間、車いすで過ごしてもらう。
それが、お互いに心地よい時間につながる場合もあります。
※車いす使用中は転倒や引っ掛かり、圧迫などの危険があるため、目を離さず見守ることが基本です。
WanLifeは、できるだけ手間もお金もかけずに、愛犬と暮らしてほしいと思っています。
でも、必要な時には、必要なものを。
そらくんの場合も、まだ動かせる後肢の力を活かしながら、前肢への負担を減らせる可能性を考えてのご提案でした。
もちろん、オーダーメイドの車いすがどこまでそらくんに合うかは、実際に調整してみなければ分かりません。
費用もかかります。
でも、その先の暮らしを考えた時、検討する価値のある選択肢だと思っています。
また、そらくんには便秘や体重減少という気になることもありました。
排便時の痛みや体重減少、てんかん発作の経過については、獣医師による評価も大切です。
そのうえでWanLifeとして、日々の水分摂取や食生活、身体の使い方など、暮らしの中で見直せることもお伝えしました。
最後に飼い主さまから、
「そらの後肢は治るのでしょうか?」
という質問がありました。
私は、根拠のない希望をお伝えすることはしたくありません。
回復の可能性は原因や神経の状態によって異なり、整体だけで判断できるものではないからです。
でも、だからといって、今できることが何もないわけではありません。
**治るかどうかだけでなく、今のそらくんが、どうしたら少しでも心地よく暮らせるのか。**
そこを飼い主さまと一緒に考えたい。
車いすは、諦めの道具ではなく、これからの暮らしを支える選択肢の一つ。
今日が愛犬にとって一番若い日!
今ある力を大切にしながら、その子らしいワンライフを守っていきたいと思います。🐾
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